ちはやふる日記


[cinema] 『この夏の星を見る』

2025年07月07日 19:50更新

辻村深月さん原作小説の映画化。コロナ禍であらゆる活動が制限されていた中高生の群像劇でした。制服を着た中高生の顔はみんな同じに見えるのですが、物語が進むにつれて一人一人のそれぞれの事情や気持ちが迫ってきます。

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[cinema] 『太陽(ティダ)の運命』

2025年07月06日 20:54更新

大田昌秀氏と翁長雄志氏の二人の歴代沖縄県知事を中心に膨大なニュース映像と丁寧なインタビューで描いた沖縄基地問題の近現代史のドキュメンタリー映画でした。冷房の効いた映画館で快適な椅子に座ってみることに後ろめたさを感じましたが見るべき映像でした。ニュースでみると点でしか考えなくなってしまうのですが、普天間基地の一時的な移転場所としての妥協点であったはずの辺野古海上へリポート案が国の都合で大規模な埋め立て工事という基地の固定化に変節していく経緯が線となってつながりました。不勉強にして、大田知事の退陣運動の急先鋒であったのが当時沖縄自民党であった翁長氏であったことは知りませんでしたが、その後、国との裁判闘争では太田氏と同じように翁長氏が沖縄を代表として闘った因縁に、保守・革新関係なく戦後が今なお続く沖縄の苦難を知りました。

「本土の100人に聞けば、誰一人、米軍基地を地元に誘致しようとは思わない。(だから沖縄県外への基地移設は現実性がない。)」と公の場で国会議員が発言するこの国の民主主義に絶望をすら感じました。

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[cinema] 『夏の砂の上』

2025年07月06日 12:19更新

幼い息子を失い、時が止まった男と実母からネグレクト同然に厄介払いされた姪とのひと夏の同居生活を描いた作品。オダギリジョーさんが演じる男は溶接工として造船所に勤めていたのだけれど倒産により職を失っても次の一歩を踏み出すことができず、松たか子さんが演じる妻にみ限られます。満島ひかりさんが演じる彼の妹は水商売で店を切り盛りするやり手の面を持ちつつ男性関係に振り回され、しかし憎みきれない明るさと優しさを持つ女性を演じています。そして、その娘を演じる髙石あかりさんがドライで無表情な少女を演じています。そんな不器用で世間を自分を諦めているような叔父と姪がひと夏を過ごすことで喜怒哀楽を取り戻していく姿を希望として受け取りました。

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[cinema] 『岸辺露伴は動かない 懺悔室』

2025年06月24日 21:21更新

人気テレビドラマシリーズの映画化作品 第2弾を見に行ってきました。今回の舞台はイタリアのヴェネツィア。『祝福 (Bless)』と『呪い (Curse)』、『幸運 (Good luck)』と『不運 (Bad luck)』を描いた大人の寓話でした。

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[cinema] 『ルノワール』

2025年06月27日 05:36更新

『プラン75』の早川千絵監督の最新作をみてきました。

11歳の少女から見た今を生きる孤独な大人たちの物語。少女の両親は互いに自立して仕事も持っている。娘を英会話教室に通わせる程度の経済力もある。しかし、父親は余命宣告を受けて闘病生活を続けており、夫婦の仲は離れつつある。石田ひかりさんが演じる母親は管理職に抜擢されたものの部下とトラブルになり会社から厄介払いされている。リリー・フランキーさんが演じる父親も管理職らしいけれども、見舞いに来る同僚や部下は職場復帰が望めぬ様子をみて喜ぶ始末。でも、心の通わぬ世界の中で少女はまだ心を通わせることを諦めていない。一時期の超能力ブームで話題になった『テレパシー』をつかい心を通わせようとする少女の姿に一筋の希望を見出す作品でした。



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