ちはやふる日記


[cinema] 『ベイビー・ブローカー』

2022年07月18日 18:44更新

是枝裕和監督の最新作『ベイビー・ブローカー』を観てきました。

物語は「赤ちゃんポスト」から赤ん坊を誘拐して売り飛ばそうとする二人の男と、それを追う刑事、そして赤ん坊を捨てた母親とで繰り広げられるロード・ムービーです。赤ん坊を捨ててはならないし、売り飛ばすなんて以ての外ですが、物語が進むにつれて一人一人が抱える事情が明らかにされていきます。正義のためと彼らを追う刑事もまた、実はたまたまそういう境遇に陥らなかっただけ、犯人になってしまった三人も根っからの悪人ではなく赤ん坊にとっては取り換えの効かない庇護者として描かれています。犯罪の全ての責任を社会に帰するのは間違いだと思いますが、さりとて社会の不公正や不公平に頰被りして当事者だけに原因を押し付けるのも間違っているという問題提起を突きつけられた作品でした。



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