春の陣2025寄席 立川談慶×ねづっち

上田出身の落語家 立川談慶さんが上田映劇で定期的に開催されている地元寄席にいってきました。一本目の演目『粗忽長屋』は滑稽なだけのおはなしだと今まで聞いていましたが「死んでいるのは自分だが、死んだ自分を抱いている俺は誰だ」となかなか哲学的なテーマだとびっくりしました。ねづっちさんのなぞかけ漫談は生で見ると圧巻の舞台でした。
[cinema] 『Ryuichi Sakamoto | Playing the Orchestra 2014』
2014年に坂本龍一さんが自ら指揮、演奏して東京フィルハーモニー交響楽団と共演したコンサートの響きを映画館の音響で堪能してきました。ライブ・コンサートでは休憩を挟みながらの演奏だったのでしょうが、映画館で119分間ほぼノンストップの演奏はお腹がいっぱい、胸いっぱいになりました。
一つだけ蛇足の感想。一番印象に残った曲、もしくは記憶の底から呼び出された曲は "Ballet Mécanique" でした。1986年の坂本龍一さんのアルバム『未来派野郎』に収録、後に中谷美紀さんが歌詞をつけてドラマ主題歌としてヒットしたのも今は昔。オケストレーションされた "Ballet Mécanique" も感動的でした。
NHK夜ドラ『バニラな毎日』

1回15分の短いドラマ番組でしたが毎日楽しみにみていました。蓮佛美沙子さん演じるパティシエが独立して開いたお店が経営困難で閉店するところから始まる物語。山あり谷ありというよりもどん底ばかりのお話ですが美しいお菓子のシーンが癒してくれます。プロのパティシエの手捌きを蓮佛さんが吹き替えなしで演じ切ることにこだわったシーンが物語の後半でさらに一転するのが見ていて圧巻でした。
主人公の白井さんと心の距離を詰めよう四苦八苦とする甘いマスクのミュージシャンの「気づいていないと思うけれど、これはラブレターです」、「これ、2度目の愛の告白です」へのお返事が「待ってます」で見事に回収されていてやられました。音楽の世界、自分の世界に没入すると帰って来ない、帰って来られない彼にとっての戻れる場所がパティスリー・ベル・ブランシェになり、白井さんになった素敵な結末でした。 🎉