[cinema] 『岸辺露伴は動かない 懺悔室』
人気テレビドラマシリーズの映画化作品 第2弾を見に行ってきました。今回の舞台はイタリアのヴェネツィア。『祝福 (Bless)』と『呪い (Curse)』、『幸運 (Good luck)』と『不運 (Bad luck)』を描いた大人の寓話でした。
[cinema] 『ルノワール』
『プラン75』の早川千絵監督の最新作をみてきました。
11歳の少女から見た今を生きる孤独な大人たちの物語。少女の両親は互いに自立して仕事も持っている。娘を英会話教室に通わせる程度の経済力もある。しかし、父親は余命宣告を受けて闘病生活を続けており、夫婦の仲は離れつつある。石田ひかりさんが演じる母親は管理職に抜擢されたものの部下とトラブルになり会社から厄介払いされている。リリー・フランキーさんが演じる父親も管理職らしいけれども、見舞いに来る同僚や部下は職場復帰が望めぬ様子をみて喜ぶ始末。でも、心の通わぬ世界の中で少女はまだ心を通わせることを諦めていない。一時期の超能力ブームで話題になった『テレパシー』をつかい心を通わせようとする少女の姿に一筋の希望を見出す作品でした。
[cinema] 『光る川』
「300年前の悲恋の伝説」と「昭和30年代の高度成長期を迎えて経済優先へと姿を変えていく里山に暮らす家族の物語」の2つの物語を行ったり来たりしながら、長良川の美しい風景を描いた作品でした。CGは一切なしとされていますが、フィルムのぼんやりとしたノスタルジックな映像とは異なり、デジタル撮影技術のくっきりと鮮明で色鮮やかな映像美が印象的でした。そして美しい長良川の風景だけでは私は飽きてしまったと思いますが、華村あすかさんが演じる主人公の里の娘をとても美しく撮っていて、最後までスクリーンにくぎ付けになりました。男女のラブストーリーとしてみることもできるし、家族の物語としてみることもできる。個人と社会と自然の関係性とみることもできる。多面的な作品だと思いました。
[cinema] 『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』
『恋するマドリ』、『私をくいとめて』、『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』の大九明子監督。ヒロインは河合優実さんということでGW最終日に上田映劇へ見に行ってきました。
萩原利久さんが演じる大学生と河合優実さんが演じる同級生の一瞬にして意気投合して燃え上がる恋の話かと見ていると、伊東蒼さんが演じる銭湯のバイト仲間が割って入ってきて長台詞から全部持っていってしまうのかと思いきや物語は急展開。最後は再び、河合優実さんが演じる大学生が全部持っていきます。登場人物が何を感じて何を考えているのかひた隠しにする演出でしたが、『今見上げている空』が永遠に続く訳ではない刹那のひとときであることを三人の恋を通じて描いた素敵な作品でした。