ちはやふる日記


[cinema] 『ブータン 山の教室』

2021年05月25日 06:54更新

ブータンの都市部に暮らす青年が指導教官の鶴の一声で標高4800メートルにある秘境の村の学校に先生として派遣されることで始まる物語。物語の始まりで伏線を張ったエピソードを最後に回収する巧みな脚本でエンドロールまで惹きつけられました。

都市の文化を謳歌し、オーストラリアへの移住を夢見て、教職に対しては全くやる気のない主人公の青年がとてもチャラくて、いかにもどこにでもいそうな感じが、共感はしないけれども、でも一番親近感が湧く身近なキャラクターとして観客と同じ目線で、物語の舞台となるヒマラヤの麓のルナナ村の風景を素敵に映し出してくれます。

教育が社会の問題を全てを解決してくれるという甘い理想だけを描いているわけではないのですが、「先生は未来に触れることができる」という村の人たちの言葉がリアリティーを持って響いてくる素敵な映画でした。クラス委員の生徒の女の子の溌剌とした演技が愛くるしくて、どこかからベテラン子役さんを辺境の村までロケに連れて行ったのかな?と思っていましたが、実際のルナナ村に暮らす女の子だそうで、とても上手に作った映画だなと感心しました。



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