ちはやふる日記


[cinema] 『あのこは貴族』

2021年04月25日 19:35更新

同じ時代、同じ世代に生まれて、同じ東京で暮らす二人の女性が、しかし異なる社会階層に生きて、一緒に遊ぶことも共に働くこともない、という現代の社会の閉塞感を描いた作品。門脇麦さんが松濤で生まれ育ち、家族は病院を経営している良家の子女を演じ、一方の水原希子さんは地方の平凡な家庭から受験勉強を一生懸命に頑張って大学進学で東京への上京を果たした女性を演じています。

白熱灯やネオンライトのような揺らぎやばらつきがない、蛍光灯のようなチラつきやノイズもない、均質で安定したLEDの光が照らす東京の夜の風景が物語を象徴しているように見えました。

生まれも育ちも全く異なる二人の女性の人生が交わることになり、しかし親友になったり大立ち回りを演じるわけではないのだけれど、互いに影響を与えるストーリーにリアリティーを感じました。一方、二人の女性から影響は受けるのだけれど、でも人生は変わらない、変えられない、高良健吾さんが演じる男性が一番弱くて辛くて哀しいのかな?と見ていて思いました。



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