学びの場、交流のかたち

社会人、特にIT技術者の「学びの場」、「交流のかたち」は年々多様化しています。また去年と今年で同じような内容で開催されているイベントであっても、目新しさを演出するために、イベント名の看板だけを掛け替えていることもあります。そんなこともあってか、それぞれのニュアンスの違いが必ずしも正確に伝わっていないことも起こっているようです。

ETロボコンに限らず、IT関係の学びの場・交流のかたちとこれまで接点のなかった方と最近お話しする機会があり、私自身上手くニュアンスを伝えることができなかったので自分自身の整理も兼ねてブログにまとめてみました。私のかなり偏ったイベント参加経験に基づいた、独断と偏見による解釈ですので、そこのところを割り引いて参考にして下さい。

カンファレンス
直訳は会議、研究会。フォーラムやシンポジウムと同義の場合もあるがIT関連のイベントではカンファレンスという名前が一般的。ある一つのテーマに関係した複数の講演やセミナーで構成される1日から1週間程度のイベントを意味することが多い。
キーノート・スピーチ
基調講演のこと。カンファレンスなどのイベントの目玉となる著名人の講演。
パネル・ディスカッション
識者討論会。壇上で4人から6人程度の識者がパネリストとしてテーマに沿った討論をおこない、聴講者が討論内容を傾聴する大喜利スタイルのイベント。
セミナー
講習会。講師が多数の受講生を相手に一方向に教授するフォーマルな講義スタイルを意味することが多い。座講や座学と呼ぶこともある。
ハンズオン・セミナー
体験型セミナー。受講生が実際に手を動かして学ぶ講義スタイル。講師やサポート担当者を置き、初心者へのイントロダクションを目的とすることが多い。
ワークショップ
本来は作業場や工房を意味する言葉。勉強会と訳すことも。体験型作業やグループワークを取り入れた全員参加型のイベント。講師は置かずに、ファシリテーターと呼ばれる世話役が参加者の自発的な発言や活動を緩やかに誘導するスタイルをとることもある。
勉強会
ワークショップと同義のことも多い。参加者数は最大でも20名程度の小規模で開催し、講師や発表者を持ち回りにしたりグループワークにすることで全員参加型を狙うことが多い。
アンカンファレンス
事前に大まかなテーマだけを決めておき、詳細は即興的にその場に集まった参加者が決めていくスタイルのイベント。講演者や講師をあらかじめ決めておくカンファレンスに対して、よりカジュアルな全員参加型の手作りイベントのニュアンスが込められていることが多い。
ライトニング・トーク(LT, Lightning Talk)
1件の発表を5分程度の短時間にまとめるプレゼンテーション・スタイル。ライトニング・トークを5件から10件程度、テンポ良く次々と交代しながら発表していくカンファレンスの一部として開催されるイベント枠をライトニング・トークスと呼ぶ。ひとつひとつの発表を短くすることで発表準備の負担を軽くし、発表者の間口を広げることを狙う。イベント後の参加者の交流のきっかけ作りを狙った仕掛け。
ハッカソン
造語「ハッキング・マラソン」の略。1日から数日間、会議室やロビースペースなどに参加者が集まり、ソフトウェアや作品を共同で作成し、最後に成果を発表するイベント。ハンズオンでは講師が事前に成果物やゴールを明確に設定しておくのに対して、ハッカソンでは参加当事者が即興的に成果物やゴールを決める。
BOF (Birds Of a Feather)
「類は友を呼ぶ」の意味。カンファレンスや展示会で人が集まる機会に相乗りするかたちで普段は直接顔を会わせる機会の少ない同好の士が集うイベント。新たな人脈を広げる場というよりも、すでに交流のある人が集まる同窓会的な側面が強い集まりを意味する場合が多い。
ビア・バッシュ(Beer Bash)
直訳はビール・パーティー。缶ビールに宅配ピザ、立食形式の簡単な懇親会を意味することが多い。米国西海岸のIT企業が製品やサービスのリリース祝いにおこなった慰労会のスタイルに由来する。

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