ちはやふる日記

上田市サントミューゼで上演された舞台『おどる夫婦』をみてきました。

長澤まさみさん × 森山未來さん のダブル主演。その他の出演者に松島聡さん、皆川猿時さん、小野花梨さん、内田慈さん、岩瀬亮さん、内田紳一郎さん、伊藤蘭さん。

S席で購入したのですが2階席が指定されました。舞台から遠く離れた席ではありましたが廻り舞台をつかった演出や場面転換のたびに出演者自ら小道具の机や椅子を動かす姿を舞台全体で俯瞰して楽しむことができました。開演はブザーが鳴って緞帳が上がるのではなく、開演前から一人二人と役者さんが舞台に現れて準備体操や台本の確認をしています。そして開演時間になると森山未來さんが「これから始めます」と声をかけます。実は主人公の二人が出会った舞台の稽古場での姿を演じていることが徐々に判明するのですが、現実世界から舞台の中の世界へ徐々にシフトしていく演出が素敵でした。舞台を見ているというよりも、ちょっと顔見知りのご夫婦の日常を覗き見しているような感覚でした。

東日本大震災、コロナ禍と日常が一変していく時代の中で小さな夫婦の世界が淡々と、しかし変化して、深まっていく姿を違和感なく描いていました。

踊らされるのではなく自らの意思で踊り続ける。そこに意味や価値など必要はない、受け身のようでいて、決して受け身ではないラストの夫婦の姿が印象的でした。