[cinema] 『おーい、応為』
2025年10月19日 15:53更新
画狂 葛飾北斎の娘で弟子でもある葛飾応為(お栄)を主人公にした映画をみてきました。NHKドラマで宮﨑あおいさんが演じた応為は達観したやさぐれ感、アンニュイな佇まいが素敵でしたが、長澤まさみさんが演じる応為は気迫に満ちた凄みがありました。刀を抜いた武士が丸腰で立ち塞がる応為に気圧される場面は圧巻でした。北斎は90歳で亡くなるまでに93回引っ越したと伝わっているそうですが、映画の中ではお栄さんが拾ってきた子犬が引っ越しのたびに大きくなる姿で時の流れを表現する演出が巧みでした。何事かに対して狂ったように熱中したことはないし、そこまで入れ込みたくはない、という冷めた気持ちが私の中にはどこかあるのですが、「これが人生の全て!」という人のおこぼれをちょっぴり疑似体験しました。