ちはやふる日記


[event] RubyKaigi 2016

2016年09月20日 13:20更新
RubyKaigi2016 RubyKaigi2016

2016年9月9日(木)〜11日(土)の3日間、京都国際会館で開催されたプログラミング言語Rubyのカンファレンス "RubyKaigi2016" を聴講してきました。

国内外から1000名を超える聴講者が訪れる国際カンファレンス。これまで東京や筑波など首都圏で開催されてきたイベントですが、今年初めて京都で開催されました。発表はほぼ半数が英語。ことしからライトニングトークが本編から外れ、100%技術的な内容の発表で埋め尽くされました。


RubyKaigi2016

京都議定書が採択された地球温暖化防止京都会議や国際軍縮会議も開催された由緒ある建物。以前は京都の市街地から少し外れた場所にある交通の便の悪い印象がありましたが、京都駅から地下鉄一路線でアクセスできるようになり便利な立地でした。


RubyKaigi2016 RubyKaigi2016

最近では展示会も開催できれば音楽イベントも開催できる多目的ホールが多いですが、国際会議場はあくまでも会議に特化した設備になっていました。50年前に竣工された歴史ある施設ですが、電源コンセントや読書灯も一席ずつに用意されていてバッテリーの残量を気にせずに発表の聴講に集中することができました。


RubyKaigi2016

会議場の前には日本庭園があり背後の山々が借景となり美しい風景をつくっていました。昼休みやセッションの間の少し長い休憩では日本庭園に出てのんびりと休憩しました。


今年印象に残った発表は並行処理(Concurrency)に関する内容。昨今はスマートフォンでもクアドコア(4core)、オクタコア(8core)と複数のMPUを搭載したデバイスが当たり前になる中でプログラミング言語としていかに並行実行性(同時実行性)をサポートするのかという内容でした。複数のMPUを搭載することで演算処理は並列(Parallel)に実行できるのですが、メモリやI/Oといった計算機資源は複数のMPUで取り合いが発生するため、この取り合いをいかに調停して円滑にプログラムを動作させるか?という難しい問題の解決へのさまざまなアプローチのお話でした。

また機械学習の分野ではPythonの躍進が著しいことも感じました。プログラミング言語だけでなく、その周囲を固めるライブラリやエコシステムが一旦整うと、その周りに開発者やユーザーがさらに集まり、雪だるま式に人気が一極集中するという事情も面白いなと思いました。

プログラミング言語Rubyに関するカンファレンスだったのですが、いくつかのセッションで新進気鋭の関数型プログラミング言語 Elixer への言及もありました。面白そうだったのでつい先日邦訳が出たばかりの新刊書をカンファレンス会場の出張販売で購入してお土産にしました。16年前、まだ一部のファンの間でだけ受け入れられていたプログラミング言語Rubyが、「達人プログラマー」の著者 Dave Thomas による書籍「プログラミングRuby(通称ピッケル本)」で紹介されて海外から人気に火が付き日本にも逆輸入されて現在の大人気につながった歴史が繰り返すのかな?と少しワクワクしています。

2007年にはじめて RubyKaigi に参加したときの基調講演の発表者が、この「プログラミングElixir」を書いた Dave Thomas さんでした。彼のソフトウェア開発に対する熱い思いと愛がひしひしと伝わって来るプレゼンで最後は会場満員の聴衆が次々に立ち上がってスタンディングオベーションに包まれた瞬間が今でも目に焼き付いています。

RubyKaigi2016

本の背景に写っている噴水は京都国際会館の日本庭園の池ですね。^_^;



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