ちはやふる日記


[event] Open Source Conference 2006 Tokyo/Fall

2006年10月30日 08:41更新
日時 2006/10/28(土) 10:00 - 17:15
場所 東京 新宿区 日本電子専門学校
主催 オープンソースカンファレンス2006実行委員会

オープンソースカンファレンス2006 Tokyo/Fall に参加してきたのでご紹介します。この手のカンファレンンスや展示会だとネクタイ姿のビジネスマンが多いのですが、このカンファレンンスの参加者にはほぼ無縁。自由業(人)と思しき人、学生さん、制服姿の高校生。企業ブースの担当者も製品のロゴ入りTシャツで参加していました。


LPI試験

特別実施されていたLPIC(Linux技術者認定試験)を、ペンギンのぬいぐるみ目当てに受験してしまいました。私は本当にお祭り気分、お試し気分で受験したのですが、周囲の受験生はかなり本気モードに入っていました。年齢層もそこそこ高くて、仕事でやらされているんだろうな、と思われる女性の数も目立ちました。でもLinuxって、もっと楽しいものなんだけど・・・

そして問題文を開けたら、さらに目がテン。Debianのパッケージ管理の問題が出たのですが、私はVine Linux派なんですが・・・いけない?そのあとの問題に、rpmもaptも出てきたので、広く浅くの知識を求めているのでしょうが、どれか特定のディストリビューションに特化した設問というのはどうなのでしょうか? 男は(女も)だまって、"make install" でしょう、と思っていたら、そんな問題も出題されました。とにかく初級者はパッケージのインストールができればいいのね、この試験の主旨はと思いました。一人ツッコミをいれながら問題を解いていると、スペース区切りのテキストファイルを、カンマ区切り(CSV形式)に変換しなさい。という問題でした。ただしオプションなしという条件付き。オプションを指定すれば、sedだろうが、perlだろうが、rubyだろうが、お茶の子さいさい、なのでしょうが、オプションなし、というのが、この問題の肝なのでしょう。でもPOSIX歴十うん年の私は挫けません。awkでしょ。awkがあれば、perlなんていらないよと時代に乗り遅れた私だけに、awkのデフォルト設定では、スペース区切りをカンマ区切りに変換できることなど自明です。ところが困った。この問題は自由記述式なのです。"awk" でいいの? でも、Gnu/Linuxだと、"gawk"? いやいや、日本語も扱うとなると、"jgawk"?

Linuxに代表されるオープンソース文化って、手段は問わず、やった者勝ちの世界だと思うのです。このような手段の知識を問う資格試験にはとことん合わないなと思ったのでした。


セミナー風景

セミナーはおおよそこんな感じでした。開催場所が東京ということもあって、企業系のプレゼンが多かった気がします。


日本Rubyの会の今後を考える会

日本Rubyの会の会長で、「高橋メソッド」の発明者の高橋征義さんのプレゼンを聞きました。高橋メソッドのプレゼンを期待しましたが、ホワイトボードにアジェンダを書いて、詳細は秀丸エディターで表示された文章に時々、修正や追加を加えるスタイルでした。確に表題は考える会ですから。ですが、Rubyの会の抱える課題は伝わってきました。

今年の6月には、日本Rubyカンファレンンスを開催し、300人規模の動員を行い、企業からの協賛金そのほか、それなりのお金も動かしたそうです。しかし、いまだ日本Rubyの会は任意団体で、お金の管理や組織の運営に課題を抱えているそうです。さりとて、NPOや有限会社として法人化するためには、クリアすべき課題がまだまだあるそうです。また日本Rubyの会の信用力は、Rubyの開発者である、まつもとひろゆきさんの会への個人的信頼に100%依存していて、法人化していくら法律的な信頼を担保したとしても、「ひろゆきさんとの信頼関係がなくなったら、なんの意味もないよね。」というジレンマがあるようです。Rubyのような一人のカリスマによって支えられたプロジェクトには、推進力もあるけれども、課題もいろいろとあるようです。やはり一人のカリスマに頼らない、コミュニティーのサポート体制の確立が大切なのでしょうね。私のような凡人にはどんな貢献ができるのかを考えさせられる会でした。


展示ブース風景

展示ブースの風景です。前回の北海道と違って、ヘリコプタも飛んでいなければ、マラカスを振っている人もいない静かな会場でした。が、メード姿の女性が、無料でジュースを配っていました。は、は、は。


ウダー3.2

宇田さんによる電子楽器 ウダー3.2 のデモンストレーションでした。最初は単なるウケ狙い、キワモノかと思っていたら、演奏は心癒される音楽でした。同じ電子楽器のテルミンに似た音色でしたが、微妙に音程が揺れるのが、味になっていました。現在の課題は、3時間でセンサーがダメになるそうで、それが解決された暁には私も一台買ってみようかと思っています。(お値段次第ですが・・・)


ライトニングトーク

カンファレンンスのお楽しみのライトニングトーク。松江市長の写真の次に、某アイドルの写真が写し出されるギャップが好きです。(もちろん発表者は別です。)

まじめな話で締めくくると、島根県の松江市が"Ruby City MATSUEプロジェクト"と掲げて、地域振興、全国的なコミュニティーの創造を目指している取り組みに興味を惹かれました。まつもとひろゆき氏が松江に居を構えて、仕事をしているということで、Rubyに着目したようですが、地元では新しい宝飾店ができたのかと誤解されたそうです。ではありますが、箱物に終わらない地域振興策の今後に期待したいと思います。



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